病院薬剤師として働いてきたあなたへ。
「薬局に転職したいけど、退職金が減るのが不安…」
そう感じて、転職をためらっていませんか?
病院に長く勤めるほど退職金は積み上がっていきます。それを手放すことへの不安は、転職を考えるときに誰もが一度は感じることです。
この記事では、病院薬剤師として10年以上勤めたあとに薬局へ転職した私が、退職金の現実と、年収・新NISAを活用してどう備えるかを整理しています。
読み終えると、「退職金が減る=損」という思い込みから抜け出し、お金の面でも整理した状態で転職の判断ができるようになります。
公立病院(公務員)の退職金は手厚い——でも実際いくら?
公立病院に勤める薬剤師は地方公務員にあたり、退職手当の計算方法が法令・条例で定められています。
基本的な計算式は「退職時の給与月額 × 支給率」で、支給率は勤続年数と退職理由によって決まります。勤続年数が長くなるほど支給率が上がる仕組みで、自己都合退職より定年退職の方が高く設定されています。
公務員の退職金は高めとされており、勤続年数や退職理由によっては2,000万円前後になることもあります。ただし、実際の金額は自治体・勤続年数・退職理由によって大きく変わるため、あくまで一つの目安として捉えてください。
自己都合退職(転職)の場合は定年退職より支給率が低くなりますが、それでも勤続年数が長くなるほど相応の金額になります。自分の見込み額は勤務先の人事担当に確認するか、自治体の退職手当条例をもとに試算することができます。
なお、民間病院・薬局の退職金は法人の規模や制度によって差が大きく一概には言えないため、転職先を検討する際は退職金制度の有無と内容を必ず確認しておきましょう。
新NISAで月3万円 × 30年 ≈ 2,500万円——公務員の退職金と同水準
「退職金2,000万円」は、実は自分で積み立てて作ることができます。
新NISAのつみたて投資枠(年間120万円)を活用し、毎月3万円を年利5%で積み立てた場合の試算がこちらです。
| 積立期間 | 元本 | 受取総額(試算) |
|---|---|---|
| 20年 | 720万円 | 約1,230万円 |
| 26〜27年 | 約936〜972万円 | 約2,000万円 |
| 30年 | 1,080万円 | 約2,446万円 |
月3万円を26〜27年積み立てると約2,000万円、30年続ければ約2,446万円に達します(年利5%の試算)。公務員の退職金と同水準、あるいはそれ以上の資産を自分で作れる計算です。
たとえば35歳で転職して積立を始めれば、61〜62歳頃に2,000万円に到達します。30歳なら56〜57歳で届く計算です。実際には多少の貯金がある状態からスタートする方が多いと思いますので、その分だけ早く目標に近づけます。
ただし、これはあくまで試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。 投資にはリスクが伴い、元本を下回る可能性もあります。新NISAの運用はご自身で十分に調べたうえで判断してください。
その積立に必要なのは「手取りで月3万円の年収アップ」
月3万円の積立を実現するために必要な年収アップは、どれくらいでしょうか。
手取りで月3万円を確保するために必要な額面の増加は、税率・社会保険料・扶養状況によって個人差が大きいです。一つの目安として、年収数十万円の上乗せが必要になることが多いと考えておくとよいでしょう。
言い換えると、薬局転職によって年収が50万円前後上がり、そのうち月3万円を新NISAに回せれば、退職金の代わりになる資産を自分で積み上げることができます。
「退職金が減る不安」の本質は、老後のお金が足りるかどうかです。 退職金という形でもらうか、年収アップ+新NISAで自分で作るか——手段が変わるだけで、目指すゴールは同じです。
薬局転職で年収アップは実現できるか?
結論から言うと、転職先次第ですが、病院より年収が上がるケースは珍しくありません。
薬局では年収600万円以上を提示する求人も多く、特に在宅に力を入れている薬局や大型病院の門前薬局では、経験を評価して高めに設定されることもあります。また、夜勤・当直がなくなることで、拘束時間あたりの時給換算では実質的に改善するケースもあります。
一方で、年収が変わらない、あるいは下がる場合もあります。転職前に複数の求人を比較し、給与交渉をしっかり行うことが重要です。
大切なのは、「退職金がいくら減るか」だけを気にするのではなく、「転職後の年収で月3万円の積立ができるか」という視点で転職先を選ぶことです。
「退職金が減る=損」ではなく「年収と積立で作れる」
ここまでの話を整理します。
公務員の退職金が「手厚い」と言われるのは2,000万円前後という水準があるからですが、新NISAで月3万円を26〜30年積み立てれば、同水準かそれ以上の資産を自分で作ることができます。そのために必要なのは、手取りで月3万円分の年収アップです。
つまり、「退職金が減る=老後が不安」ではなく、「年収アップ+新NISAで同じゴールに辿り着ける」という発想の転換が大切です。
病院に残り続けることで退職金は増えますが、その分、新NISAで運用できる期間は短くなります。どちらが自分にとって合理的かは、退職金の金額・転職後の年収・積立期間・働き方など、個人の状況によって異なります。
「退職金が増えるまで待つ」という理由だけで転職を先送りにすることが、必ずしも得策ではない——その視点を持っておくだけで、転職の判断が変わってくるはずです。
まとめ
この記事では、病院薬剤師が薬局に転職するときの退職金とお金の考え方について解説しました。
- 公立病院(公務員)の退職金は定年退職で2,000万円前後が目安で、勤続年数が長いほど大きくなる
- 新NISAで月3万円を30年積み立てると約2,446万円——公務員の退職金と同水準以上を自分で作れる
- そのために必要なのは、手取りで月3万円分の年収アップ(額面で年収数十万円程度の上乗せが目安)
- 薬局転職で年収アップが実現できれば、退職金を気にせず転職を判断できる
- 「退職金が減る=損」ではなく、「年収と積立で作れる」という発想が大切
退職金の不安を理由に転職をためらっている方に、この記事が一つの視点を提供できれば嬉しいです😊
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この記事は筆者の実体験と一般的な情報をもとに書いています。退職金・投資に関する具体的な判断はご自身の状況に合わせて行い、必要に応じて専門家にご相談ください。

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