ルリコン・ニゾラールが限定出荷……外用抗真菌薬、代替はどうする?薬局で調べてわかったこと

はじめに

「クリームでもいいので、抗真菌薬の在庫ありますか?」

最近、外用の抗真菌薬でこの確認が増えました。ルリコン(ルリコナゾール)もニゾラール(ケトコナゾール)も、クリーム・軟膏がほとんど限定出荷になっています。他社品の供給不安の影響で需要が急増し、玉突き的に品薄が広がっている状況のようです。

実際に卸の供給状況を確認してみると、ある傾向が見えてきました。今回はその内容を、現場の記録として整理します。

※供給状況の確認日:2026年9月22日時点


ルリコナゾール系の供給状況

製品剤形供給状況
ルリコンクリーム1%(サンファーマ)クリーム限定出荷(他社の影響)
ルリコン軟膏1%(サンファーマ)軟膏限定出荷(他社の影響)
ルリコナゾールクリーム1%「イワキ」クリーム限定出荷(自社・減少)
ルリコナゾール軟膏1%「イワキ」軟膏限定出荷(自社・減少)
ルリコン液1%(サンファーマ)液通常出荷
ルコナック爪外用液5%(佐藤製薬)液(爪用)通常出荷

先発・後発を問わず、クリーム・軟膏はほぼ全滅という状況です。一方で、液剤(ルリコン液)だけは通常出荷が続いています。同じルリコナゾールでも、剤形によってここまで供給状況が違うというのは、調べてみて初めて気づいた点でした。


ケトコナゾール系の供給状況

製品剤形供給状況
ケトコナゾールクリーム2%「JG」「MYK」「NR」クリーム限定出荷
ケトコナゾールクリーム2%「イワキ」クリーム通常出荷
ニゾラールクリーム2%(帝國製薬)クリーム限定出荷
ケトコナゾールローション2%「JG」「MYK」ローション限定出荷
ニゾラールローション2%(岩城製薬)ローション限定出荷
ケトコナゾール外用ポンプスプレー2%「NR」スプレー限定出荷(増加傾向)
ケトコナゾール外用液2%「NR」(東光薬品工業)液通常出荷(増加)

ケトコナゾールも同様に、クリーム・ローション・スプレーの多くが限定出荷という状況でした。ただし、クリームの中でもケトコナゾールクリーム2%「イワキ」だけは通常出荷が続いており、また東光薬品工業の外用液「NR」も通常出荷・増加傾向という結果でした。

ルリコナゾールと同じく、「液剤は比較的入手しやすい」「同じ剤形でもメーカーによって差がある」という2つの傾向が、ここでも当てはまっています。


ラノコナゾール系の供給状況

製品剤形供給状況
アスタットクリーム1%(マルホ)クリーム限定出荷(他社の影響)
アスタット軟膏1%(マルホ)軟膏限定出荷(他社の影響)
アスタット外用液1%(マルホ)液限定出荷、しかも薬価削除予定(販売中止見込み)
ラノコナゾールクリーム1%「イワキ」クリーム限定出荷(自社・減少)
ラノコナゾール軟膏1%「イワキ」軟膏限定出荷(自社・減少)
ラノコナゾール外用液1%「イワキ」液通常出荷

ここでも「液剤は比較的入手しやすい」という傾向は続いていますが、注意が必要な点があります。先発のアスタット外用液は限定出荷であるだけでなく、薬価削除(販売中止)が予定されているという情報でした。液剤だからといって先発品にこだわると、近い将来そもそも入手できなくなる可能性があります。液剤に切り替える場合は、後発品(ラノコナゾール外用液「イワキ」など)を軸に考えたほうが安全そうです。


なぜこんな差が出るのか

ここからは推測になりますが、いくつかの理由が考えられます。

① クリーム・軟膏は使用頻度・処方量が多い 皮膚科領域では、クリームや軟膏が第一選択になることが多く、もともとの需要量が液剤より大きい分、品薄の影響を受けやすいと考えられます。

② 玉突き的な需要シフト ある製品が限定出荷になると、その代わりとして別ブランド・別剤形へ処方が流れ、そちらの需要が急増して次々と限定出荷が連鎖する、という構図が起きているようです。ルリコンの案内文にも「他社品の影響による需要の急激な増加」という趣旨の記載があり、まさにこのパターンだと感じています。

③ 液剤は元々の処方量が少なく、影響を受けにくい 液剤(ローションタイプ)は頭部など特定部位への使用が中心で、もともとの処方量がクリーム・軟膏より少ないため、需要シフトの影響を受けにくかった可能性があります。


現時点での対応の考え方(私見)

あくまで一薬局としての整理です。

  1. まずは液剤への変更を医師に相談する:ルリコン液、ケトコナゾール外用液「NR」、ラノコナゾール外用液「イワキ」など、通常出荷が続いている液剤がある。患者さんの患部・使用感によっては液剤でも対応可能なケースがある
  2. 同一成分内でメーカーを比較する:クリームの中でも「イワキ」のように通常出荷を保っている銘柄があるため、切り替え前に複数メーカーを確認する。液剤であっても先発品とは限らず、後発品の方が安定して入手できることもある(アスタット外用液のように、先発の液剤が薬価削除予定というケースもある)
  3. 「限定出荷」表示だけで判断せず、卸に実在庫を確認する:限定出荷でも自局の使用量であれば確保できる場合もあるため、まず今の仕入れ先に相談するのが早い

まとめ

外用の抗真菌薬は、ルリコナゾール・ケトコナゾールともにクリーム・軟膏中心に限定出荷が広がっていますが、液剤や一部メーカーの製品は通常出荷を保っています。剤形・メーカーによる違いを把握しておくと、処方医への提案や在庫確保の判断がしやすくなります。

抗菌薬に続いて外用の抗真菌薬でも供給不安が起きている状況を見ると、こうした「代替薬をどう考えるか」という視点は、今後も薬局の実務でますます必要になっていくと感じています。


※本記事の情報は参考情報かつ一薬局が確認した供給状況の記録です。供給状況は日々変動します。実際の処方判断・代替薬の選定は、必ず医師と相談のうえ、最新の供給状況・電子添文をご確認ください。

この記事を書いた人
yakuzaishi-real

病院薬剤師として10年以上勤務したのち、30代で薬局薬剤師へ転職しました。抗がん剤の調製やチーム医療、病棟での服薬指導など、病院での経験を土台に、転職体験や薬局の日常を本音でお伝えしています。同じように悩む薬剤師の方の参考になれば嬉しいです😊

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