医薬品の供給不足で疲れた薬剤師へ|欠品対応の負担は「職場選び」で変わる【病院→薬局に転職した薬剤師が解説】

※本記事はプロモーション(PR)を含みます。

はじめに

「今日もまた欠品……」「卸に電話して、代替薬を探して、先生に問い合わせて、患者さんに謝って」――そんな毎日に、少し疲れていませんか?

医薬品の供給不足は、もう何年も続いています。ニュースで見る数字以上に、現場の薬剤師の負担は大きいですよね。しかも、この負担は、本来の仕事である服薬指導や患者さんとの対話の時間を、じわじわと削っていきます。

この記事では、欠品対応の負担は「どこで働くか」によって大きく変わるという視点から、供給不足の今だからこそ見直したい職場選びのポイントを書きます。

私は地方公務員として薬事行政に携わったあと、病院薬剤師として10年以上働き、現在は薬局で勤務しています。病院と薬局、両方の現場を経験したからこそ見えた「職場によって違うところ」を、正直に書きます。

読み終えると、今の職場のしんどさが「供給不足のせい」なのか「職場の仕組みのせい」なのかを見分けられるようになり、次の一歩をどうするか判断しやすくなります。ぜひ最後まで読んでみてください😊


医薬品の供給不足は、まだ続いています

結論から言うと、供給不足はまだ「日常」のままです。

厚生労働省の「医療用医薬品供給状況」(2026年10月30日公表分)では、報告されている約16,400品目のうち、限定出荷が978品目、供給停止が990品目、あわせて約12%でした。

  • 限定出荷978品目のうち、約6割(606品目)は後発品です。薬局で毎日のように使う薬ほど、影響を受けやすいのが実情です
  • 供給停止990品目のうち、566品目は薬価削除に伴うものです。今後、市場から姿を消していく薬も含まれています

💬 数字だけ見ると「そんなものか」と感じるかもしれません。でも現場の感覚では、欠品する薬が入れ替わりながら続いていて、対応の手間はあまり減っていない……という方も多いのではないでしょうか。

つまり、「そのうち落ち着くから我慢しよう」は、もう通用しにくい段階に来ています。

最近まとめた供給状況の記事は、こちらです(どれも、欠品したときの代替の考え方を整理しています)。


欠品対応の「見えない負担」

供給不足のつらさは、欠品そのものより、その裏で発生する細かい作業の積み重ねにあります。

欠品がひとつ出るだけで、薬局ではこんな作業が連鎖します。

  • 複数の卸に電話・メールで在庫確認
  • 代替できる薬(規格・メーカー違い、同効薬)を探す
  • 処方医への問い合わせ・変更の相談
  • 患者さんへの説明とお詫び、後日お渡しの段取り
  • 次回分の確保のための発注調整

どれも記録に残りにくく、評価もされにくい仕事です。それなのに、確実に時間と気力を削っていきます。


病院と薬局、両方を経験して感じたこと

ここで、私自身の経験を書いておきます。

意外に思われるかもしれませんが、正直、今の薬局のほうが欠品対応は楽です。欠品が少ないからではありません。「動ける環境」が整っているからです。

病院で大変だったこと

  • 購入先は入札で決まり、1社に限られるため、欠品したときに別の仕入れ先を探すという選択肢が基本的にありませんでした
  • 薬品マスタは、自分たちで手を動かして作る必要がありました。コードの検索から、必要な情報の収集、マスタへの入力まで、1剤ずつ手作業です。各方面への案内も必要でした
  • 外部のインターネットは、共有のPCがある場所まで行かないと使えませんでした。1人1台、ネットにつながるPCもなく、供給状況を調べること自体が一苦労でした

以前の薬局で感じたこと

欠品したときは、「ありません、ほかの薬局へ行ってください」と案内するだけで、自分から手を打てる余地がほとんどない環境でした。

今の薬局で違うこと

  • 現場の責任者の立場なので、複数の卸に在庫を確認できます(権限があるかどうかは、大きな違いです)
  • インターネットで、供給状況をその場で調べられます
  • 欠品が出ても、自分で動いて、手を尽くせる実感があります

同じ「欠品」でも、動ける権限と環境があるかどうかで、負担の重さも、気持ちの余裕もまったく違います。病院時代の私は、正直、環境面で「ムリゲー」だと感じていました。

💬 2026年7月の厚労省通知では、在庫がないことだけを理由に調剤を断ることは認められないとされました。だからこそ、欠品のときに「動ける仕組み・権限」がある職場かどうかが、これまで以上に大事になっています。通知の解説は、薬局のカスハラ、断っていいの?「調剤応需義務」の新通知を現場の薬剤師が読んでみたに書いています。

この「見えない負担」が積み重なって、疲れの正体がわからないまま消耗している――これが、供給不足の時代の薬剤師のリアルだと感じています。


欠品対応の負担は、職場によって差がある

ここが、いちばん伝えたいことです。同じ供給不足の中でも、欠品対応の負担は職場によってかなり違います。

理由はシンプルで、欠品への強さは「職場の仕組み」で決まる部分が大きいからです。具体的には、次の4つで差が出ます。

① 店舗間で在庫を融通できるか

複数店舗を持つ薬局では、近くの系列店から在庫を回してもらえることがあります。1店舗だけで抱え込まなくていいのは、大きな安心材料です。

② 発注・在庫管理の仕組みと、動ける権限があるか

本部で調達をまとめていたり、在庫管理システムが整っていたりすると、現場の薬剤師が一つひとつ電話をかける負担が減ります。複数の卸に確認できる権限や、供給状況をすぐ調べられる環境があるかも、大きなポイントです。

逆に、発注を店舗の薬剤師が全部担っているのに権限が限られていたり、情報を調べる環境が整っていなかったりすると、欠品のたびに業務が止まりがちです。

③ 人員に余裕があるか

ギリギリの人数で回している職場では、欠品対応が入るだけで投薬が滞り、残業につながります。人員に余裕がある職場は、同じトラブルでも吸収できる力があります。

④ 門前の処方内容

処方される薬の種類が多い・専門性が高い門前ほど、欠品の影響を受ける品目も増えます。どの医療機関の処方を受けているかで、負担はかなり変わります。

💬 誤解のないように書いておくと、「大手なら安心、個人薬局はダメ」という話ではありません。地域の卸さんと長く信頼関係を築いている個人薬局が、欠品に強いケースもあります。大事なのは、規模より「仕組み」です。

今のしんどさは、あなたの頑張りが足りないからではなく、職場の仕組みの問題かもしれません。そう考えてみると、少し気持ちが軽くなりませんか?


「今の職場、しんどいかも」と感じたら確認したいチェックリスト

今の職場が、欠品対応で消耗しやすい環境かどうか、まずはセルフチェックしてみてください。

  • ☐ 欠品のたびに、自分で複数の卸に電話している
  • ☐ 自分の判断で動ける範囲が狭く、「ないものはない」で終わってしまう
  • ☐ 供給状況を、すぐ調べられる環境(PC・ネット)が十分に整っていない
  • ☐ 系列店や近隣店舗との在庫の融通がほとんどない
  • ☐ 発注・在庫管理が、特定の人(自分)に集中している
  • ☐ 欠品対応のせいで、服薬指導や薬歴の時間が削られている
  • ☐ 欠品対応が原因の残業が当たり前になっている
  • ☐ 「仕方ない」で済まされ、改善の話し合いがない

3つ以上当てはまったら、職場環境そのものを見直すタイミングかもしれません。もちろん、まずは今の職場で改善を相談するのも一つの方法です。それでも変わらないなら、思い切って転職活動をしたほうが早いかもしれません。他の職場の様子を「知っておく」だけでも、気持ちの余裕が生まれます。


求人票ではわからない「欠品への強さ」は、転職エージェントに聞くのが近道

職場選びで欠品対応の負担を見極めたいなら、薬剤師専門の転職エージェントに内部事情を聞くのが近道です。

なぜなら、在庫の融通や発注の体制、実際の人員や残業時間といった情報は、求人票にはまず書かれていないからです。自分で応募先に直接聞くのも、気が引けますよね。エージェントなら、担当者が採用側とやりとりする中で、こうした内情を確認してくれます。

面談では、たとえばこんなことを聞いてみてください。

  • 欠品が出たとき、店舗間で在庫を融通する仕組みはありますか?
  • 発注・在庫管理は誰が担当していますか?本部のサポートはありますか?
  • 欠品のとき、薬剤師が複数の卸に確認したり、動いたりできる体制ですか?
  • 薬剤師の人数と、1日の処方箋枚数はどれくらいですか?
  • 実際の残業時間はどれくらいですか?

私自身、病院から薬局に転職するときは、紹介会社(アポプラス薬剤師)を使いました。条件を伝えると、それに合う求人を探してくれて、条件の交渉も担当者がしてくれました。自分ひとりで探して交渉するより、ずっと楽でした。くわしい体験は、アポプラス薬剤師の評判・口コミの記事に書いています。

💬 登録したからといって、すぐに転職しなければいけないわけではありません。「今の職場と比べてどうなのか」を知るための情報収集として使うのも、ぜんぜんアリです。

求人票に載らない情報こそ、働きやすさを左右します。だからこそ、プロに聞くのが効率的です。


薬局の働きやすさを相談するなら、この2社

調剤薬局への転職・情報収集なら、次の2社がおすすめです。それぞれ強みが違うので、2社とも登録して比べるのがいちばん失敗しにくい方法です。

ファルマスタッフ|調剤薬局への転職に強い、日本調剤グループの転職サービス

ファルマスタッフは、全国に調剤薬局を展開する日本調剤グループの転職サービスです。薬局を経営しているグループだからこそ、薬局の現場の事情に詳しく、「欠品対応の体制」のような薬局ならではの質問にも話が通じやすいのが魅力です。

  • 調剤薬局の求人に強い(公開情報では、求人の約8割が調剤薬局)
  • 正社員・パート・派遣など、働き方の選択肢が多い
  • 対面での面談を大切にしている

注意点:求人は調剤薬局が中心です。担当者との相性で満足度が変わるという声もあるので、合わないと感じたら担当の変更を相談しましょう。(私自身はファルマスタッフを利用していないため、公式サイトなどで調べた情報をもとに書いています)

アポプラス薬剤師|私が実際に使ったサービス

アポプラス薬剤師は、アポプラスキャリア株式会社(クオールホールディングスの100%子会社)が運営する、薬剤師専門の転職支援サービスです。私が転職活動で実際に使いました。

  • 担当者が、希望・経験・条件を何時間もかけて整理してくれた
  • 「その条件は難しい」と言われながらも、粘り強く条件交渉をしてくれた
  • 案件によっては、面接に同行してもらえる
  • 入社後のフォローもあった

注意点:公開求人は、大手と比べると少なめです。また、連絡が多いと感じる人もいるようなので、連絡の時間帯や頻度の希望は最初に伝えておくと安心です。

2社の違いは、ファルマスタッフとアポプラス薬剤師を比較した記事で、くわしくまとめています。

💬 1社だけだと、その会社が持っている求人しか見えません。2社を比べると、同じ地域でも条件や職場の情報に差があることがわかって、判断材料がぐっと増えます。


まとめ

この記事では、医薬品の供給不足が続く中で、欠品対応の負担を減らすための職場選びについて書きました。

  • 供給不足は続いている。厚労省の2026年10月30日公表分では、限定出荷978品目、供給停止990品目で、あわせて約12%
  • 疲れの正体は、欠品の裏にある「見えない作業」の積み重ね
  • 欠品への強さは、在庫の融通・発注体制と動ける権限・人員・処方内容といった「職場の仕組み」で決まる
  • 私自身、病院から薬局に移って、「動ける環境」があるだけで、欠品対応がずっと楽になった
  • 求人票に載らない内部事情は、転職エージェントに聞くのが近道
  • 調剤薬局なら、ファルマスタッフとアポプラス薬剤師の2社を比べるのがおすすめ

供給不足そのものは、私たち一人ひとりの力ではどうにもなりません。でも、どこで働くかは自分で選べます。まずは情報収集から始めて、欠品に振り回されすぎない働き方を目指してみてください。

同じように悩んでいる薬剤師さんの一助になれば嬉しいです😊


参考

  • 厚生労働省「医療用医薬品供給状況」(2026年10月30日公表分)
  • 厚生労働省 医薬発0708第1号「薬剤師の調剤応需義務等について」(2026年7月8日)
この記事を書いた人
yakuzaishi-real

病院薬剤師として10年以上勤務したのち、30代で薬局薬剤師へ転職しました。抗がん剤の調製やチーム医療、病棟での服薬指導など、病院での経験を土台に、転職体験や薬局の日常を本音でお伝えしています。同じように悩む薬剤師の方の参考になれば嬉しいです😊

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